脳脊髄液減少症 医療費助成条例が可決 西原町議会


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 【西原】西原町議会3月定例会は26日、最終本会議を開き、「脳脊髄液減少症医療費等の助成に関する条例案」を全会一致で可決した。

中学生以下の町内の児童生徒が脳脊髄液減少症を発症した場合に、保険適用外の治療に医療費と渡航費の7割を公費で補助する。今後発生する全ての事故を対象にするが、2012年に町立小学校の体育の授業中に頭を強打し、脳脊髄液減少症を発症したと診断された男子生徒と保護者の救済を図る措置となる。
 保険適用外である「ブラッドパッチ療法」の治療費を行政で支援する制度は長野県飯山市などが要綱を定めて運用しているが、議会の議決が必要な条例として整備したのは全国でも西原町が初めて。
 高額な治療費負担の軽減を行政に訴えてきた男子生徒の保護者は「いい内容の条例を作ってもらい、県全体、全国に広がれば同じ疾患に苦しむ児童と保護者の救済につながる。条例の制定や息子の回復を支えてくれた多くの人に感謝したい」と話した。
 条例可決後も引き続き男子生徒の支援に当たることを行政に求める「町内学校事故で被災した脳脊髄液減少症の児童の支援に関する決議案」が一部議員から議員提案された。だが、町政与党側は「損害賠償で因果関係の調査が続いており、影響を懸念する」など慎重意見が相次ぎ、採決の結果、決議案は賛成少数(賛成7、反対9、退場2)で否決された。