学んで しまくとぅば 県、初の小中生向け読本


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県が作成した小中学生向けの「しまくとぅば読本」

 県文化振興課は3日までに、小学5年生と中学2年生を対象にしまくとぅば(沖縄各地域の言葉)を学ぶ冊子「しまくとぅば読本」を作り、県内の各小中学校に配布した。県が小中学校を対象にしまくとぅばを学ぶ冊子を作るのは初めて。

県教育庁は3月31日付で各小中学校に読本を国語や総合学習などで活用するよう依頼する文書を送った。
 学習指導要領に「方言と共通語」の学習が盛り込まれている小学5年生と中学2年生を対象とした。1人1冊行き渡るよう3万6千部を作成した。費用は約1774万円。5月ごろに県のホームページでも公開する予定だ。野原三義沖国大名誉教授ら5人の識者が監修した。
 学校生活や年中行事などで使う言葉を中南部(那覇)、北部(名護市久志)、宮古(平良)、八重山(石垣市四カ字)、与那国(祖納)の5地域の言葉で紹介している。これらの地域以外にも多様な言葉があるため、児童生徒が自身の地域の言葉を書き込むメモ欄も設けた。電子書籍が入ったCDが付いており、電子書籍では音声も聞ける。
 県の担当者は「掲載している5地域の言葉だけが正解というわけではない。家庭に持ち帰って、自分の地域の言葉を学んでほしい」としている。
 那覇市も2013年、市内の全小中学生を対象にしまくとぅばを学ぶ小冊子を作成、配布した。
英文へ→OPG publishes book to help elementary and junior high students learn Shimakuba