辺野古沖制限ブイ 「掘削後に撤去必要」県が見解


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 県の伊禮年男土木整備統括監は1日、名護市辺野古の新基地建設に伴う海底ボーリング調査で、沖縄防衛局が臨時制限区域などに設置したブイ(浮標灯)やフロート(浮具)について、本体工事前に撤去する必要があるとの認識を示した。本体工事時にも設置を続ける場合は、県に提出した埋め立て承認願書の内容変更に該当し、工法の設計変更申請を事前に提出する必要があるとの認識も示した。

 防衛局はボーリング調査に抗議する市民を遠ざける狙いでブイやフロートを設置している。一方で防衛局がこれらを継続設置するために、本体工事前に工法の変更を県に申請する場合、審査期間が必要なことから、「早ければ今夏」(中谷元・防衛相)とする工事の着手日程に影響しそうだ。
 防衛局が県に提出した埋め立て承認願書は「『工事施工区域』を明示するために浮標灯を設置する」と記してはいる。だが防衛局は現在、さらに沖合の臨時制限区域などにもブイやフロートを多数設置している。
 県の伊禮統括監や赤崎勉海岸防災課長は1日、市民団体「基地の県内移設に反対する県民会議」からの要請で、この状況への認識を問われ「現在はボーリング調査に関わるものと考えている。だが本体工事になれば設計変更が必要だ」と明言し、設計変更しない場合は、承認願書で示された以外の範囲のブイやフロートは撤去が必要だとした。
 一方、県は2月12日付で防衛局に対し、これらのブイやフロートをボーリング調査後に撤去予定かと照会した。防衛局は「必要がなくなった時点で撤去する」とだけ回答している。