沖縄県内の県立高校2年生のうち、沖縄が日本に復帰した年月日を正しく答えられた生徒は12・4%だったことが沖縄歴史教育研究会と高教組が行ったアンケート調査で明らかになった。2010年の前回調査時の正答率13・1%から0・7ポイント低下した。沖縄史に関する学習が課題となっていることが浮き彫りになった。
調査は1~3月、各高校で2年生2クラスを対象に実施。60校中36校が回答した。回答数は2340人。
復帰の年月日を記述する設問で「1972年5月15日」との正解は12・4%、誤答27・8%、「わからない」が59・7%だった。
沖縄歴史教育研究会顧問の新城俊昭沖縄大客員教授は「高校生には遠い過去としか映らないかもしれないが、12%は低過ぎる。復帰運動はその実現がゴールとなってしまい、復帰後の歴史について教えるという意識が社会全体として弱かったのではないか」と背景を分析している。
新城さんは、5月15日前後が高校の中間試験の時期と重なり特別授業を設定しにくい点も指摘した上で「戦後27年間の異民族支配の歴史は今の基地問題にもつながる。社会科だけではなく平和学習でも積極的に教えるべきだ」と話した。