障がい児の自立支援 DVD教材、WEBサービス開発


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DVD教材とWEB連絡帳などを開発した佐次田篤志代表(左から2人目)と金城敦史代表(同3人目)ら関係者=4月28日、うるま市石川

 【うるま】障がいのある子どもらを対象にバスの乗り方など生活の身近なルールを伝えるDVD教材「今日も元気で1日を!」と、障がい児デイケアと保護者、学校の3者で共有して利用できるWEBサービス「連絡帳・スケジュール帳」がこのほど開発された。

うるま市石川の児童デイケア「ライフ イズ ビューティフル」とWEBデザインなどを手掛ける「リッツイデア」を中心に、福祉関係者と異業種が集まった実行委員会が手掛けた。
 DVD教材は国立青少年教育振興機構の「子どもゆめ基金」を活用し作成した。個人や学校などに配布している。ライフ-の佐次田篤志代表はWEB教材やサービスで子どもの自立を促しながら社会のつながりを広げることを期待し「障がいのある子も地域で暮らす環境をつくりたい」と語る。
 教材には(1)バスの乗り方(2)買い物の仕方(3)レストランで食事するための手順(4)図書館での本の借り方-を子どもが演じる動画を撮影し、説明を付けた。実際の場面で起こり得る子どもの戸惑いに対応するため絵ではなく、動画で再現することを心掛けた。
 連絡帳・スケジュール帳は、子どもの体調や様子、デイケア施設の利用予約などをインターネット上で登録して使うものだ。これまでは(1)学校と保護者(2)デイケア施設と保護者-と紙媒体の連絡帳をそれぞれやりとりする例が多かった。だが、WEB上の連絡帳を利用すれば、保護者が朝に子どもの様子を記入すると学校もデイケア施設も時間差なくすぐに子どもの様子を把握できる。
 開発したリッツイデアの金城敦史代表はWEB連絡帳について「セキュリティーも整えた。後々は動画も共有できるようにし、発作など子どもの様子を映像で分かりやすく伝えられるようにしたい」と計画する。
 他に子どもが自分で1日のスケジュールを立てるページもあり、佐次田代表は「(計画を)視覚化することで自分でできる子はいる」と期待する。
 2015年度は障がいのある子が将来の職業設計につなげられるよう「自分の街で働こう編」の教材を作成する予定だ。
 DVD教材配布の問い合わせはライフ-佐次田(電話)098(965)6040。WEB連絡帳-の問い合わせはリッツイデア(電話)050(3784)9558。
 教材はホームページでも公開している。URLはhttp://challenge.okinawa/(東江亜季子)