管制官指示復唱、確認できず 那覇空港トラブルの空自ヘリ


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那覇空港で発生した航空機トラブルの調査について説明する吉田眞治航空事故調査官=4日午後9時ごろ、那覇空港

 【東京】那覇空港で航空自衛隊のヘリが離陸滑走中の旅客機の前方上空を横切り、その後旅客機同士が衝突しそうになったトラブルで、国土交通省航空局は4日、空自ヘリが離陸の際に管制官の指示を復唱したか確認できていないことを明らかにした。

航空機は誤解を防ぐために、指示を復唱後に行動することが定められている。トラブルが発生する直前、管制官が空自ヘリに待機を指示した際にはヘリが復唱していたが、その後離陸した。
 一方で来県中の国交省運輸安全委員会の航空事故調査官3人は4日、トラブルに関係した日本トランスオーシャン航空(JTA)のパイロットと空自の操縦士2人、乗組員1人から当時の状況を聞き取った。
 民間機の飛行記録装置と音声記録装置は4日までに東京へ送られ、今後分析する。調査官は5日に沖縄を離れ、東京で全日空機のパイロットからも聴取する。吉田眞治航空事故調査官は「1年をめどに報告書を出す」と話した。
 管制官と3機は同じ無線周波数で交信していたが、それぞれの機体への指示は通常通り「コールサイン」で明示していた。航空局は運輸安全委員会による調査中として、管制官とパイロットとのやりとりの詳細は明らかにしていない。
 空自那覇基地は「詳細については把握していない」としている。
 国交省航空局は、空自ヘリの離陸許可の復唱について「全日空機の復唱がヘリの復唱と重なっていた可能性もある」としている。