年金個人情報流出「怖くなった」 市民、対応に不満も


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4種類の個人情報流出の謝罪文書を手にする男性=浦添市の浦添年金事務所前

 「不安で不安でしょうがない」―。日本年金機構の情報流出問題で、機構の沖縄事務センターが保有する情報の流出が多いことに、県民から一様に不安の声が上がった。すでに流出に対する機構の謝罪文を5日に受け取った男性(64)=浦添市=は「人ごとだと思っていた。でも沖縄の情報が多いなど新聞で読んでいるうちに、年金が受け取れなくなるのではと怖くなった」と話した。

 この男性に届いた文書は1枚。流出した情報が最も多い4種類(住所、氏名、基礎年金番号、生年月日)であることを告げていた。「読み返してもはっきり理解できなかった。だから年金事務所で聞こうと思った」と話す。6日、浦添年金事務所で年金はなくならないと説明を受けた。しかし男性は「今月の受給日に金額を確認するまで安心できない」と語った。
 一方、那覇市に住む男性(74)は、入院している106歳の母親の情報が漏れていないか、機構の専用電話に問い合わせた。これに対し機構側は「電話では、本人でないと答えられない」と告げた。
 機構によると、本人なら名前と基礎年金番号を告げることで流出の有無を確認できる。しかし本人以外による確認の場合、身分証明書と委任状を持って年金事務所の窓口に行かなければならない。男性は「母親がもう電話をかけられないから代わりに電話しているのに、おかしい」と対応に不満を漏らした。
 6日、浦添事務所で自身の情報が流出していないことを確認した女性(65)=浦添市=も「80代の父は後見人が管理している。父の年金をどう確認すればいいのか心配だ」とすっきりしない表情。「沖縄が多いと聞いて怖くなった」と話した。