普天間騒音訴訟、国に7億5400万円の賠償命令


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判決が言い渡された、那覇地裁沖縄支部の第1号法廷=11日午前10時すぎ(代表撮影)

 【中部】米軍普天間飛行場の周辺に住む市民2178人が同飛行場から発生する騒音被害の救済を求め、国に計約10億1045万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)は11日、国に対し計約7億5400万円の支払いを命じた。

日景聡裁判長の判決を藤倉裁判長が代読し「原告が受けている騒音被害は深刻かつ広範にわたる。受忍しなければならない程度と評価できない。普天間飛行場供用の公共性のみをもって直ちに原告らが被害を受忍すべきものと見ることはできない」との判断を示した。
 判決を受けて翁長雄志知事は会見で「沖縄県がこれまで騒音や事件、事故などで被ってきたものは、大概は(裁判判決で)棄却になってきた。それ(騒音被害)が認められたのは意義があるのではないか」との見方を示した。
 判決はW値(うるささ指数)が75以上80未満の区域内の住民に1日当たり150円、W値80以上85未満の区域の住民に1日当たり300円の賠償を認めた。一方でW値75未満などの地域の住民や低周波音の精神的被害に対する賠償は認めなかった。
 原告団の屋嘉比康太郎団長は「普天間飛行場の早期の移設などを求めてきたので、裁判所が騒音被害を認め大変喜んでいる。国へのインパクトは大きいのではないか」と話した。宮国英男弁護団長は「国に違法であると突き付けられたことは周辺住民にとって大きな意味がある」と意義を強調した。
 第1次爆音訴訟は控訴審判決でW値75以上80未満の区域で日額200円、W値80以上85未満の区域で日額400円が認められていた。弁護団は「沖縄以外の裁判の結果を踏まえた額ではないか」と述べた。
 原告側は「一日も早く普天間飛行場を全面撤去し、周辺住民に静かで平穏な住環境における人間らしい生活を回復させることを求める」として、早朝・夜間の飛行差し止めなどは求めていなかった。国側は「個々の原告の被害内容や程度を個別具体的に主張立証する必要がある」などと主張していた。
英文へ→Japanese government ordered to pay 754 million yen compensation for Futenma noise pollution