各地でも慰霊祭 参列者「ずっと平和に」


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和魂の塔の慰霊祭で犠牲者に焼香する参列者=23日、那覇市松山

 沖縄戦から70年の節目の23日、県内各地の慰霊の塔で慰霊祭が行われ、多くの遺族らが集まり、犠牲者の冥福を祈った。

 全長270メートルの自然洞窟で、糸数住民の避難指定場所や南風原陸軍病院の分室にもなったアブチラガマの慰霊祭にも多くの人が駆け付け、手を合わせた。
 参加した當山ヨシさん(87)=南城市=は糸数にある他の壕に隠れており、糸満に逃げようと出たときに米軍の銃弾で右手首を負傷した。當山さんは「平和さえあれば子どもたちはみんな幸せに生きられる。ずっと平和にしてくださいと祈った」と話した。
 主に通信隊として学徒動員された旧那覇市立商工学校の生徒と教師165人のみ霊をまつるため建立された和魂の塔。慰霊祭に参加した浦崎康伸さん(78)=那覇市=は「兄が通信隊として学徒動員され、糸満市で戦死した。沖縄は大和の防波堤となって大勢の住民が亡くなった。政府はどうしてもっと早く戦争を終わらせて住民を巻き込むのを防げなかったのか、ぜひ検証してほしい」と力を込めた。?【琉球新報電子版】