沖縄料理を文化財に 県が指定に向け検討


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 諸見里明県教育長は24日の県議会本会議で「郷土料理の実態について調査把握し、指定の在り方を含めて検討したい」と述べ、沖縄料理の無形文化財指定に向けて調査する方針を明らかにした。翁長政俊氏(自民)の質問に答えた。

 郷土料理の文化財指定を検討する理由について県は「食の欧米化が進む中、伝統的な食文化を守り、郷土料理の普及・振興で健康長寿復活にも寄与したい」と説明した。
 沖縄の料理は「豆腐よう」など琉球王朝時代の宮廷料理をはじめ、ゴーヤーチャンプルーなどの庶民料理などの多様性で知られる。料理研究家の松本嘉代子さん(76)は「沖縄の郷土料理の定義についてはさまざまな意見がある。多くの関係者を一堂に集めて意見を聞く場を設けてほしい」と要望した。
 県は「現時点で指定を想定する郷土料理の定義は全く定まっていない。調査を進める中で見えてくるはずだ」と話している。
 沖縄では戦後27年間の米国施政下にあった影響から、全国に比べても食の欧米化が急速に進んだ。長寿で知られた県民の健康への影響を懸念する声も出ている。
 一方、県文化観光スポーツ部は料理研究家や栄養士、農業、観光関係者らで構成する「食文化検討委員会」を来月以降に設置し、沖縄料理の現状や課題、普及に向けた取り組みを検討する方針。検討を踏まえ、食文化情報発信などの具体的施策につなげる考えだ。
英文へ→Okinawa takes steps to make Okinawan cuisine part of cultural heritage