高江座り込み9年目 ヘリ着陸帯 建設反対


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ヘリパッド工事再開を24時間体制で警戒することを決めた住民ら=1日午前8時48分、東村高江

 【東】米軍北部訓練場の東村高江地区にヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を建設することに反対する住民らの座り込み活動が1日で9年目に入った。闘いの様子は周知され、全国から連帯の支援が届き、訪れる人も絶えない。

同日午前8時には住民らがN1地区のヘリパッド建設を阻止する座り込みテントに集まり、同日から24時間体制の非暴力による抗議行動を続けることを決めた。
 ヘリパッド建設予定地は6カ所で、高江集落に近いN4地区の2カ所はすでに運用が始まっている。住民らは未着工のN1地区の建設阻止に力を入れる。一方で、テントを設置している路側帯を、国が日米共同使用から米軍専用に切り替えて座り込みを排除することを警戒している。
 座り込みが始まった2007年7月から反対運動を続ける伊佐真次東村議は「建設が止まらない以上、これからも非暴力の言動で闘っていく。8年の成果は1年で終わる工事が今まで延びていることと、全国に広く周知されたことだ」と語った。
 6月28日の座り込み8周年報告会で、反対運動の様子を一人芝居で演じた大月ひろ美さん(32)も報道や映画を目にして現地を訪れた一人だ。2012年に初めて訪れ「戦争につながる軍事施設の建設を止めたいという一点で反対できる」と覚悟を決めて抗議に参加する。現場で感じた揺れ動いた感情は、演劇活動を通して県外にも伝える。
 軍事基地が住民生活に及ぼす影響を研究する立命館大学非常勤講師の池尾靖志氏(平和学)もたびたび、高江に足を運ぶ。米国の軍事戦略に翻弄(ほんろう)される現場を住民側視点で見詰め続け、講義で学生に説明する。ただ学生のリポートは、約4割がネットで集めた誤った情報で分析しているという。「やはり現場を見なければ、そこに住む人々の暮らしが米軍基地に脅かされることは実感できない。学生にもそう伝えていきたい」と語った。