沖縄・ダイオキシン検出 下流井戸は基準未満


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県環境部環境保全課は1日、汚染物質を含むドラム缶が発見された米軍基地返還跡地の沖縄市サッカー場下流の基地内2カ所の井戸の水質調査(5月28日採取)で、「ダイオキシン類の環境基準値の超過はなかった」と発表した。

一方で識者は県の調査について「調査ポイントが少なく不十分」と指摘している。
 県の調査は、沖縄防衛局によるサッカー場での経層磁気探査で有害物質が周辺に拡散していないかを把握するためのもの。結果はダイオキシン類が毒性等量(TEQ)1リットル当たり0・015ピコグラムだった(環境基準値は1リットル当たり1ピコグラム)。環境保全課は「県内地下水でも2013年度の調査で0・018~0・082ピコグラムで、基地内の数値に問題はない」としている。
 地下水の水質は現在、専門の研究機関に発注して分析を行っている。
 環境汚染問題に詳しい環境総合研究所(東京都)の池田こみち顧問は「地下水は帯水層が複数ある可能性もある。今後のモニタリングや監視体制を検討して、継続的に調査をしないと住民は納得できないだろう」と話した。