県立芸大、ハワイ大と学術交流へ 音楽、言語など4分野で


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 沖縄県立芸術大学(比嘉康春学長)は2016年度に開学30周年を迎えるのを記念し、16年7月にハワイ大学との間で音楽、美術、沖縄学、言語の4分野の学術交流で連携する覚書を交わす調整を進めていることが分かった。

沖縄とハワイの姉妹都市30年の記念式典に参加する翁長雄志知事がハワイ大学と同大学内の東西センターを今月10日(現地時間)に訪ね、要請する。絶滅の危機にひんしていたハワイ語を復興させたハワイの経験から学び、沖縄のしまくとぅば復興や琉球芸能の継承・発展などにもつなげたい構えだ。
 県立芸術大学は中国、タイ、ドイツ、イタリアなどの7カ国10校と姉妹校の協定を結んでいるが、今回は初めて総合大学と幅広い学術交流に関する覚書の締結を目指している。
 覚書に盛り込む予定の4分野のうち、言語は英語普及で使われなくなっていたハワイ語が各教科をハワイ語で教えるイマージョン教育を活用して復興した研究の実践・研究例が念頭にある。琉球芸能、沖縄文化の土台となっているものの、使えない世代が増えているしまくとぅばを普及させる参考例としたい考えだ。
 音楽はハワイの県系人にも受け継がれる琉球古典音楽、琉球舞踊などの琉球芸能がどう発展してきたのかや歌詞に盛り込まれた奥深い意味の研究について情報交換する見込み。沖縄学は沖縄最古の歌謡集「おもろさうし」の研究などが想定される。(古堅一樹)