県内に外来生物21種 専門家「生態系守る対処必要」


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 県外からの埋め立て用土砂搬入を規制する条例案を審議する県議会の委員会で、県は条例案の説明と併せて、県内では21種の特定外来生物を確認していることを明らかにした。

専門家からは「予防的な措置は重要だが、外来種問題は広範囲に及び、沖縄の独自の生態系を守るため一つ一つ対処しないといけない」と、定着した外来生物の対策を取る必要性を指摘する声も上がっている。
 県環境部は県内で特定外来生物21種を確認しているが、目撃や文献情報も含まれる7種については「定着はしていない」としている。
 環境省那覇自然環境事務所によると、特定外来生物にタイワンスジオ(爬虫(はちゅう)類)やウシガエル(両生類)、オオキンケイギク(植物)など14種がいる。フイリマングース(哺乳類)はヤンバルクイナなどを捕食することから、やんばるでは県と環境省が連携して防除事業を実施している。
 特定外来生物に指定される以前からペットや観賞用として飼育・栽培されていたものが、自然界に出る例もある。条例案の基になっている外来生物法では飼育や栽培、運搬、保管、輸入、野外への放出、譲渡などを禁じている。
 外来種に詳しい琉球大学博物館(風樹館)の佐々木健志学芸員は「学校現場での教育や、ペットとして飼育する人のモラルを啓蒙する必要がある」と指摘した。

繁茂して水面を覆い、水質の悪化などを招くボタンウキクサ=那覇市内