沖縄「見限ってもいいのでは」 時事記者、菅氏に質問


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 【東京】県議会で土砂規制条例案が可決された13日午後の菅義偉官房長官の記者会見で、条例による那覇空港第2滑走路建設への影響について時事通信社の記者が「そんな連中は、放っておいてもいいと思うが、いかがか」と質問する場面があった。

 質問の意図などについて、同社編集局総務の小林治彦氏は本紙取材に対し「社としてそうした見解は持っていない。質問は不適切な表現で極めて遺憾だ」と述べ、県議会や県民に対して陳謝した。時事通信社は質問した記者を13日中に注意した。
 菅氏が、沖縄振興の重要性に言及し滑走路建設の工期短縮に踏み切った経緯などを説明すると、時事通信の記者は「(県議会は)工期短縮を難しくする決断をした。だったらもう国としても、ある意味見限ってもいいのではという気がする」などと持論を交えて質問した。菅氏は「沖縄の発展は日本の発展にとっても重要だ」などと応じた。
 外務省元主任分析官で作家の佐藤優氏は「どんな質問をするかは自由だ。だが、質問の背後に沖縄への偏見があることは残念で、沖縄の状況がまったく分かっていない」と指摘した。