【名護】名護市のつは写真館の比嘉厚さんが、第48回県写真文化協会写真コンテストで県知事賞を初めて受賞した。作品は、友人で琉球ガラス職人の仲本庄吾さんがガラス食器を製作する様子と製作中の食器。比嘉さんは「友達のつながりがないと、この賞はなかった」と笑顔を見せた。
比嘉さんはスタジオ写真だけでなく、エイサーや運動会など、外に出掛けて人物の写真を撮っていた。「いつも冗談を言い合える庄吾が仕事に入った時の、職人らしい表情を撮れたら面白い」と仲本さんをモデルにした。
仲本さんは読谷での10年の修業の後、昨年伊差川で自身の工房を始めた。海をイメージした涼しげな作品とは違い、作業は50度近い灼熱(しゃくねつ)の工房で行われる。「ガラスに命を吹き込む庄吾の表情がかっこよくて引き付けられた」という比嘉さん。作品を成形する仲本さんの真剣な表情を収めようと夢中でシャッターを切った。
仲本さんを写した写真は、応募総数230点のうち最高賞の県知事賞に選ばれた。
仲本さんは「これ本当に俺なのって驚いた」と話す。比嘉さんは「その人らしさが感じられる写真を撮っていきたい」と意気込みを語った。