「てぃーだ学校」 生活の技 住民に学ぶ


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地域住民から昔ながらの生活の技を学ぶ児童生徒ら=5日、東村の東小中学校

 【東】東幼稚園と東小中学校(根路銘国斗校長)の子どもらが地域の漁師や婦人、専門家から昔ながらの漁や料理、物作りなどの生きた知恵を学ぶ「第20回てぃーだ学校」が5日、同校で開かれた。

昔遊びや自然体験、そば作りのほか、特産品のパイナップルを使ったジャム作りなどの15講座を地域住民が受け持ち、地域に受け継がれてきた生活の技を子どもらに教えた。
 てぃーだ学校は、1996年当時、教頭だった金城祥一郎さんが中心となって創設した。人間関係が希薄になりかけていたため、地域と学校、行政を巻き込み、皆で子どもを育てる環境づくりを目指したという。
 20回目のことしも盛況で、子どもたちがしっくいシーサーの作り方や郷土のお菓子の作り方を学んだほか、昆虫観察や川遊びも楽しんだ。
 草木の工作講座に参加した東中3年の宮城武蔵生徒会長は「アダンの葉を1センチ単位で切って、遊び道具を作り出したのがすごいと思った」と述べた。記念式典では「豊富な伝統知識を分かりやすく教えてくれた」と講師らに感謝の思いを伝えた。
 式典では、10年以上講師を務めた住民らに学校から感謝状が手渡された。根路銘校長は「東村の助け合いの心でてぃーだ学校が続けられており、地域の歴史文化を受け継ぐことができている」と述べ、支えてくれた人々をたたえた。
 てぃーだ学校創設に尽力した金城さんは「地域で育てる教育基盤づくりが20年も続いたことに感謝しており、今後も続くことを期待している」と述べた。