ハンセン病、苦難越え 「みんな平等」金城さん体験語る


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過去の体験について語る、ハンセン病元患者の金城幸子さん=1日、西原町のサンエー西原シティ

 【西原】ハンセン病の啓発普及活動の一環で1日、西原町のサンエー西原シティで、ハンセン病語り部の金城幸子さん(74)の講話(県ゆうな協会主催)が行われた。約50人が参加した。HIV人権ネットワーク沖縄の宜寿次政江副理事長(38)の質疑に答える形で金城さんが体験を語った。

 金城さんは7歳でハンセン病を発症し隔離されて学校に行けなかったり、教師や地域の人から差別を受けたりした経験を持つ。小学4年生のころに治療薬で治っていたのにもかかわらず、15年ほど前にハンセン病の裁判に関わり弁護士に言われるまで、自分が完治していることを知らなかった。「10代で自殺した友人や、(療養所の)愛楽園で亡くなったおじいやおばあの人生は何だったのかと怒りが湧いた」と当時を振り返った。
 現在、語り部として活動しているのは金城さん含め県内では4人しかいない。「ハンセン病だったことを家族にさえ打ち明けられない人たちが今も多くいる。どう生まれようともみんな平等で同じ命があると強く言いたい」と述べた。
 2日は午後2時からサンエー西原シティでハンセン病語り部の平良仁雄さんの講話が行われる。パネル展示も同時に開催している。