プレミアム付き商品券、市民が列 各自治体、地域性生かす


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 国の緊急経済対策で交付金を活用した「プレミアム付き商品券」が、数日で完売の自治体が出て県内で人気だ。家族分も含めて数十万円分の商品券を購入し、リフォームや車検費用に充てる人もいるという。一方、購入手続きの煩雑さから申込者が予想を下回り2次販売に期待を寄せる自治体もある。自治体独自の取り組みもあり、宮古島市は通常の商品券の他に特産品やE3ガソリン購入に限定した商品券も取りそろえる。東村は多子世帯が40%、座間味村・渡嘉敷村は75歳以上は50%とプレミアム率を高くするなど、それぞれ地域性が商品券に表れている。

 プレミアム付き商品券は、購入価格に10~40%を上乗せして販売市町村内の加盟店で買い物ができる商品券となっており、県内のほぼ全市町村で販売している。
 既に完売した自治体は名護市や沖縄市、嘉手納町、北谷町など9市町村、現在販売中は22市町村、これから販売する予定の市町村は10となる。
 3日に販売開始した南城市は1万円で1万2千円分の商品券が購入できる。市玉城庁舎では早朝から商品券を求める市民ら約20人が列をつくった。午前8時前に市大里から玉城庁舎に来た女性(60)は「県外のニュースで完売もあると聞いたので早めに買いに来た。商品券はガソリン代に使いたい」と話した。
 一方、浦添市はプレミア率40%だが、応募期間の7月20日までで販売総数の3分の2ほどの申し込みとなった。同市は急きょ8月16日に2次販売を決めた。浦添市てだこホール市民交流室で1人7セットを上限に販売する。担当者は「往復はがきで事務局へ申し込み、返信はがきを持参して買い求める購入方法が煩雑と受け止められたかもしれない」と分析している。
 プレミアム率30%で、販売から約2カ月たった北大東村は、現在販売総数の半分弱の売れ行きとなっている。担当者は「役場まで買いに行くのが面倒という人と、分割払いでも買いたいという人で二分している」と話す。世帯人数が多いとまとまった金額が必要になるため、北大東村では分割払いも受け付けている。
 商品券の換金に時間がかかると零細企業で資金繰りに困ることも考えられ、南城市で商品券を取り扱う同市商工会の潮平隆会長は「取り扱い店の負担とならないよう、換金がスムーズにいくよう努力したい」と話した。(知花亜美)

南城市のプレミアム付き商品券販売で、初日から購入のため列をつくる市民ら=3日午前、南城市役所玉城庁舎