ハンセン病、歴史継承 啓発催しで中高生決意


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県ハンセン病対策街頭キャンペーンで踊りを披露する向陽高校ダンス部=8日午後、那覇市のパレット久茂地イベント広場

 ハンセン病の正しい知識の普及と国家賠償訴訟について周知を図ろうと、県ハンセン病対策街頭キャンペーン(厚生労働省、県、HIV人権ネットワーク沖縄共催)が8日、那覇市のパレットくもじイベント広場で開かれた。

県や厚労省によると、ハンセン病の街頭キャンペーンは県内初めてで、国内でも珍しい。中高生約70人が出演し、ダンスや合唱、ハンセン病回復者の手記の朗読などを通して、ハンセン病の歴史を継承する決意を示した。
 県内の中高生4人が「心豊かに暮らせる沖縄の実現を目指す」と力強く宣言した。
 ハンセン病回復者には補償金が支払われるが、受給には訴訟手続きが必要。手続きは来年3月末が期限となっている。県内には400人の未請求者がいるとみられる。
 ハンセン病回復者を描いた演劇「光りの扉を開けて」も一部上演された。モデルとなった金城幸子さん(75)、平良仁雄さん(76)も登壇し「多くの回復者は肩を縮めて生きている。皆さんの温かい心で、まだ出て来られない仲間が訴訟に踏み出せるようにしてほしい」などと訴えた。