大戦の謝罪 草の根から 県内有志がサイト開設


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 安倍晋三首相が14日に発表した戦後70年談話に戦争を起こした日本の過去に真摯(しんし)に向き合った謝罪がなかったなどとして、県内の有志の市民らが18日、アジア諸国や沖縄などの戦争被害に謝罪したい個人のメッセージを掲載するウェブサイト「戦後70年、私は謝りたい。」(同実行委員会)を開設した。

19日時点で既に47通の「おわび」が掲載されている。
 植民地支配した朝鮮半島への謝罪のほか、安保法案の成立を目指す安倍政権について「他国の人を殺すような国にしようとする人たちを権力者に選んでしまった。本当にごめんなさい」などの言葉も並んだ。
 19日に県庁で会見した糸満市在住のコピーライター兼ヨガ講師の中園順子さん(50)らが中心になって呼び掛け、フェイスブックで交流のある知人ら約40人が賛同した。自営業の福永貢介さん(43)=糸満市=ら24人がサイト開設に携わった。
 中園さんは、安倍首相が談話で「子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と述べたことについて「『謝罪はいらない』と決めるのは被害者だ。日本人としてアジア諸国や沖縄にしてきたことに向き合って謝罪することで、平和をつくるきっかけにしたい」と強調。「謝りたい人が気持ちを一輪の献花にして添えられる祭壇のようなサイトにしたい」と話した。
 今後はインターネットで資金を集めるクラウドファンディングを実施し、謝罪のメッセージを翻訳して各国に届けることも検討する。「私は謝りたい。」のウェブサイトはhttp://apology.asia/message

ウェブサイト「戦後70年、私は謝りたい。」を立ち上げた中園順子さん(左)と福永貢介さん=19日、那覇市の県庁記者クラブ
中園順子さんらが立ち上げたウェブサイト「戦後70年、私は謝りたい。」