坂本龍一さんが新基地反対の曲 詞は古謝美佐子さん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 音楽家の坂本龍一さんの楽曲「undercooled(アンダークールド)」に、民謡歌手の古謝美佐子さんらが歌詞を付けた曲「弥勒世果報(みるくゆがふ)-undercooled」が10月7日に発売される。「音楽と歌の力で平和な沖縄、日本、戦争のない世界の実現を」との願いを込めた曲で、古謝さんらのグループ「うないぐみ」が歌う。坂本さんは「僕もうないぐみの皆さんも、アメリカ軍基地の辺野古移設で沖縄の海と貴重な生態系が壊されることに反対です」とメッセージを寄せた。

 売り上げはコスト分を除いた全額を、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設阻止を目的とした「辺野古基金」に寄付する。
 古謝さんと共に作詞した「うないぐみ」のプロデューサー・佐原一哉さんは「(中咽頭(いんとう)がんの闘病から)復帰した坂本さんが沖縄のことを思い、沖縄の人のために取り組んでくれたことに感謝したい」と語った。
 「アンダークールド」は「冷やし足りない」との意味で、2004年に発表。米中枢同時テロやイラク戦争などを憂慮し「今の世界はまるで頭に血が上ったかのような状態。もっと冷静になろう」とのメッセージを込めた。
 古謝さんは坂本さんのツアーに参加するなど以前から親交があり、同曲に「ウチナーグチで歌詞を付けたい」と坂本さんに依頼した。「弥勒神がもたらす理想的な平和で豊かな世の中」を意味する曲名「弥勒世果報」で、歌詞は「自然賛美や戦争の哀れ」などの思いを託した。
 CDジャケットには、県出身アーティストのCoccoさんが描いたイラストを使用した。9月16日から先行配信される。

坂本龍一さん(佐原一哉さん提供)
うないぐみ(佐原一哉さん提供)
Coccoさんが描いたイラストを配したCDジャケット(佐原一哉さん提供)