特大うちわで福の風　みるくウンケー　厄払い、五穀豊穣願う

　那覇市首里赤田町の民俗行事「みるくウンケー」が１６日、地域の公民館・赤田クラブを中心に行われた。参加した住民らは、地域を練り歩くスネーイとみるくへの奉納芸能で無病息災と五穀豊穣（ほうじょう）を祈願した。

　スネーイは午後４時半に始まり、みるくを先頭にした行列がクラブを出発。縦笛「ピーラルラー（ガク）」や小太鼓「クー」などの楽器で「赤田首里（すん）殿内（どぅんち）」を奏でる路次楽隊、ンカジ（ムカデ）旗を持つ子どもら総勢約１００人が地域を厳かに練り歩いた。
　行列のルート沿いには住民らが姿を見せ、大きなうちわをかざすみるくの前でこうべを垂れ、厄を払ってもらった。福々しいみるくを目にして「怖い」と泣きだす子どももいれば、興味津々のまなざしで見詰め、手を振る子どももいた。
　スネーイの後は、クラブでみるくをもてなすウトゥイムチの奉納芸能が披露され、祭りを盛り上げた。
　祭り実行委員会によると、みるくウンケーは１７００年ごろ、進貢船の乗組員が中国から持ち帰った掛け軸を基に面と胴が作られ、赤田首里殿内などで行われるようになったという。戦前から約６０年途絶えたが、１９９４年に復興された。