慰安婦問題の早期解決誓う 宮古 碑建立7年で集い


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祈念碑に献花する関係者ら=12日、宮古島市上野野原

 【宮古島】太平洋戦争中に朝鮮人「慰安婦」が宮古島に連行された歴史を伝える「日本軍『慰安婦』の祈念碑」と「アリランの碑」の建立7周年を記念した集いが12日、宮古島市上野野原の同碑前で開かれた。

 多くの関係者が参加し、戦後70年を迎え元慰安婦の高齢化も進む中、問題の早期解決へ決意を新たにした。
 宮古島にいた朝鮮人慰安婦についての証言者で、記念碑の土地を提供した与那覇博敏さんは「人間、いじめた側は忘れがちだが、いじめられた側は忘れない。(元慰安婦の皆さんが)満足とまではいかずとも、納得のいく形で問題が処理され、日韓共に発展してほしい」とあいさつした。
 VAWW RAC(バウラック)共同代表の中原道子早稲田大名誉教授は、日本国内で慰安婦問題への「バッシング」が続いていると懸念を示した上で「宮古は各地の慰安所の中でも(一般住民が)慰安婦を家に呼んで唐辛子をあげたり、服を直したことが伝わる唯一の場所。魂を慰めるのにふさわしい場所で、宮古の人たちの思いを受け継ぎたい」と語った。
 記念碑への献花や朝鮮民謡「アリラン」を共に歌ったほか、碑のそばにモモタマナの木を植樹し、恒久平和を誓った。
 2014年には、沖縄戦当時宮古島内に慰安所が存在し、日本兵が通っていたことを裏付ける旧日本軍の公文書が見つかっている。