平和の礎刻銘者をデータベース化 県、24万人分を整理へ


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 総務省が1977~2009年度に作成した「全国戦災史実調査報告書」に、10・10空襲や学童疎開船対馬丸を含む沖縄戦の被害実態が掲載されていないことに関連し県は6日までに、糸満市の平和祈念公園にある「平和の礎」の刻銘者情報を整理しデータベース化することを決めた。

名前、生年月日、出身地、戦没場所、戦没時期の5項目で分類し、公開する。年内にも作業に着手する。
 刻銘者数はことし6月時点で24万1336人。刻銘者の情報には(1)名前(2)出身地(3)屋号(4)性別(5)世帯主との続柄(6)生年月日(7) 戦没場所(8)戦没時の身分(9)戦没の状況(10)戦没の時期―がある。95年の平和の礎建立に向けて行われた聞き取り調査と、その後の追加刻銘で申請 者から提供された分を蓄積している。
 データベース化される5項目は生存者の特定につながらない情報で、既に平和祈念公園と平和祈念資料館の検索機で見ることができる。
 これまでは刻銘場所を探すために蓄積しており、データとしては整理されていなかった。
 翁長雄志知事は、6日の県議会一般質問で「調査は、戦後50年を経過して聞き取りで実施し、戦没場所など不確かな部分が多数あり、正確な戦没者数の把握 は困難だが、データの活用方法を検討していきたい。今後、国の責任で沖縄戦の被害について記録を残すよう求めたい」と述べた。