ノーベル賞「大村先生は沖縄恩人」 中頭病院・座覇さん


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座覇修さん

 大村智・北里大特別栄誉教授(80)がノーベル医学生理学賞に決まったことを受け、大村さんと親交があった中頭病院消化器内科部長の座覇修さん(56)は6日、「大村先生は沖縄にとって恩人。本当にうれしい」と喜んだ。

来県時に大村さんと焼き物を見て回ったことを振り返り「本当に気さくな人」と思い出を語った。
 座覇さんは当時、琉球大学で県内や奄美大島に多い寄生虫、糞(ふん)線虫を研究していた。1994年ごろ、大村さんを招いて同大で講演会を開き、翌日、那覇市の壺屋や読谷村やちむんの里を案内した。「人間国宝の金城次郎さんの作品を見たいと言っていた。作品に見入っていたが、私には気付かないようなヒビを見つけた。物を観察する力があったんだろう」と振り返る。
 イベルメクチンの治験が始まり、座覇さんも参加した。成果を座覇さんが論文にまとめた。論文は、大村さんの著書にも掲載されているという。「糞線虫症はいったん症状が出ると致死率が高い。薬によって救命できた人たちがたくさんいる」と受賞を喜んだ。