ヤマネコ保護で対馬と連携 西表で「共同宣言フォーラム」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ヤマネコ保護へ連携し取り組む必要性を確認した参加者ら=8日、竹富町離島振興総合センター

 【西表島=竹富】国内で竹富町西表島と長崎県対馬にのみ生息する野生のヤマネコとの共生を目指す「『ヤマネコ愛!ランド』共同宣言・ヤマネコフォーラム」が8日、竹富町離島振興総合センターで開かれた。イリオモテヤマネコとツシマヤマネコがそれぞれ生息する竹富町と長崎県対馬市の関係者、西表島の住民ら約50人が出席し、ヤマネコ保護へ連携し取り組む必要性を確認した。

 フォーラムでは前環境省那覇自然環境事務所野生生物課長の阪口法明氏が「島に生きるヤマネコたち」と題し基調講演したほか、西表島と対馬でヤマネコ保護に活動する環境省の保護官や自治体職員らが取り組み事例などを報告した。
 阪口氏は、西表島ではヤマネコの保護か地域振興のための開発かをめぐって問題になった過去を振り返った上で「今は開発から観光へと産業形態も変化した。今後は地域振興を図るためにも、持続可能な資源の利用を考える必要がある」と、ヤマネコを含む自然環境保護の重要性を訴えた。
 対馬ではツシマヤマネコをブランド名として農業に活用している事例や、ヤマネコの交通事故が両市町で課題になっていることなどを紹介し「両市町が情報を共有しながら、ヤマネコの共存に向けて学んでいくことができる」と指摘。「ヤマネコがさらに100年後にも安定して生息するために、関係者が連携して取り組み、自然と共生できる島を実現してこう」と呼び掛けた。