米が県財団に奨学金2280万円 大使が表明


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大学コンソーシアム沖縄「第2回シンポジウム2015」で基調講演するキャロライン・ケネディ駐日米国大使=10日午後、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

 キャロライン・ケネディ駐日米大使は10日、大学コンソーシアム沖縄が開いた「第2回シンポジウム2015」で基調講演し、「地域社会や国家にとって、教育に勝る重要な長期的な課題はない」と述べ、県国際交流・人材育成財団に19万ドル(約2280万円)の無利子の奨学金を提供することを明らかにした。

 沖縄の若者に対して「伝統を重んじ、過去を敬い、戦火を体験した共同体から生まれている。それによってなすべき特別な貢献があるといえる」と期待した。その上で、慰霊の日に読み上げられた知念捷(まさる)君=与勝高校=の作品「みるく世がやゆら」を一部引用し、「平和への夢は万人が抱く夢だ。引き続き共に働き、信じ合えばこの詩人が語る平和と調和を実現することができる」と述べた。

 また「日米同盟はアジア・太平洋地域の平和と繁栄の基軸だ」と強調。「沖縄での報道の見出しは、圧倒的に基地関連と普天間代替施設の建設に関するものだ。それでも前に進む道を模索する必要がある」と日米関係の深化に意欲を示した。

 シンポには学生や大学関係者ら約200人が出席。大学コンソーシアム沖縄の瀬名波榮喜代表理事や沖縄観光コンベンションビューローの平良朝敬会長ら7人が「グローバル人材の育成について」と題しパネルディスカッションも行われた。国際連合広報センターの根本かおる所長は、国連が日本人の採用に積極的だと紹介。「グローバル人材とは世界に出る人だけではなく、グローバルに思考できる人だ」と強調した。