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「たくさん泣かせてごめん」反省、感謝、決意…それぞれの思い 沖縄少年院で意見発表会


「たくさん泣かせてごめん」反省、感謝、決意…それぞれの思い 沖縄少年院で意見発表会 意見発表を行う少年=5日、糸満市の沖縄少年院
この記事を書いた人 Avatar photo 西田 悠

 【糸満】沖縄少年院(村上勝院長)は5日、糸満市真栄平の同院で意見発表会を開いた。在院生7人が、過去に働いた非行の反省や家族への感謝、出院後に向けた決意などを発表した。保護者や関係機関の約70人が足を運び、少年らの思いを受け止めた。

 同院には現在、15~20歳の少年35人が在院する。昨年の発表会は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小して開催し、通常開催は5年ぶり。四つの寮の代表に選ばれた16~19歳の7人が発表に臨んだ。

 最優秀賞に選ばれた少年は「ありがとう」との題名で発表。非行を働く前は家族がいて当たり前と考え、同居しながらも顔を合わせることもなくなっていたことを省み、院での生活を通じて家族を大切にすることの重要さに気付いたという。

 少年は、仕事の合間に何度も面会に訪れ、「ごめんね、もっと褒めてあげれば良かった」と自身を責める母の言葉に触れ、「これからは私が家族を守り、支えていきたい」と決意を示した。発表後にはマイクを手に、来場した母に「これまでたくさん苦しませて、悲しませて、泣かせてごめん。今まで育ててくれてありがとう」と涙を浮かべて語りかけた。

 ほかに発表があった題目は、優秀賞の「僕が僕である理由」「最後の決意」、入賞の「家族のために、私の決意と夢」「私の家族と決意」「これまでの私、これからの私」「私の目指すもの」「最後の決意」-。会場では在院生が手がけた芸術作品や農作物、院内での生活を紹介するパネルの展示もあった。

 (西田悠)