今帰仁村与那嶺の国道505号沿いにある沖縄そば屋「よなみね屋」は、店主の与那嶺隆さん(63)が妻のみつえさん(63)と二人三脚で営んでいる。店内の壁や柱には与那嶺さんの孫の身長の記録や落書きがあり、どこか実家のような安心感がある。
店の一押しは三枚肉とソーキがのった「よなみねそば」(中650円、大700円)だ。そばのだしは、与那嶺さんがこだわって大阪府から仕入れているかつおと肉を仕込む際に出ただしがブレンドされている。あっさりとした味は、店の雰囲気と相まって、心をほっと落ち着かせてくれる。
隆さんはそば屋を始める前は、プロパンガスの配送員を約27年ほどしていたという。ガスの配達では、取引先に沖縄そば屋もあり、ガスを届けに行っては、そばを食べ歩いていたという。
プロパンガスの配送に体力的な限界を感じ始めた与那嶺さんは、2018年に一念発起してそば屋をオープンした。当初は周囲に反対されたというが、食べ歩いたそば屋でだしの取り方を教わるなど開店に向け着々と準備を進めた。今では孫も店の手伝いに入り、応援している。与那嶺さんは「始めて1年ぐらいはとても苦労した。なんで開店したかな、と思ったりもしたけど、やっぱり『おいしい』と言ってもらえるとうれしいね」と優しく笑った。
営業時間は午前11時~午後3時。定休日は木曜日。住所は今帰仁村与那嶺513。
(金城大樹)