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教員不足、子どもの貧困、観光…沖縄の社会課題解決に14組がビジネス提案 うむさんアカデミー


教員不足、子どもの貧困、観光…沖縄の社会課題解決に14組がビジネス提案 うむさんアカデミー 沖縄が抱える社会課題の解決を目指し、多彩なビジネスプランを提案した「うむさん創業アカデミー」の受講者ら=14日、那覇市の沖縄産業支援センター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県スタートアップ創業支援事業「うむさん創業アカデミー」のコンセプト立案コース最終発表会が14日、那覇市の沖縄産業支援センターで開かれ、約60人が参加した。7月から2カ月にわたり活動してきた14組17人が、教育問題や子どもの貧困、介護支援、観光のあり方など、沖縄が抱える社会課題の解決を目指すソーシャルビジネスのアイデアを発表した。

 元県立学校教員の新里早紀さんは「非正規が続けにくい環境と、精神疾患が多い現状を解決したい」と述べ、教員不足解消などを目指すビジネスモデルを提案した。教員確保が困難な背景の一つに、非正規教員の募集・採用のあり方に課題があるとの仮説を発表。「教員は登録制度なので登録者側から情報が見えない」と指摘し、採用側と教員志望者双方が閲覧・検索できるプラットホームの構築を提案した。「制度は変えられないので制度の外から教員を支え、沖縄の教員の幸福度を全国1位にしたい」と強調した。

 県内で法務教官を務める女性は、少年院の少年少女たちが著名人とコラボしてかりゆしウエアをデザインして販売し、その利益を退所後の学費や資格取得支援に充てるビジネスプランを発表した。

 空き家を貸しスペースにリノベーションし、新たなチャレンジを志す人を応援する仕組みづくりを提案した沖縄大学3年の田之上仁愛さんは発表後、「自分一人ではどう動いていいか分からないけど、応援してくれる人や仲間がいるので頑張れる」と語り、同アカデミーの意義や魅力を振り返った。

沖縄が抱える社会課題の解決を目指し、多彩なビジネスプランを提案した「うむさん創業アカデミー」の受講者ら=14日、那覇市の沖縄産業支援センター
教員不足の解消などを目指すビジネスモデルを提案した新里早紀さん

 創業までの伴走支援を行うサービス設計コースは10月に本格スタートする。

 (佐藤ひろこ通信員)