<金口木舌>ばらばらの言葉、沈黙の声


<金口木舌>ばらばらの言葉、沈黙の声
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 米兵少女誘拐暴行事件の発覚から10日。別の性暴力も明らかとなり、連日抗議が広がる。その中に沖縄市の胡屋交差点で行われたフラワーデモがあった

▼約100人が参加し、嘉手納基地前で抗議集会も開いた。個人の参加も多い。交代でマイクを握って思いを語り、花を掲げて沈黙した。無言の中に、まだ語られない思いが立ち上る

▼別の日、米兵の性暴力への抗議や新基地建設に用いる土砂を搬出する名護市安和で起きた2人の死傷事故の調査を求め沖縄防衛局を訪れたヘリ基地反対協議会のメンバーが、職員と向き合って座った

▼「人間として恥ずかしくないのか」「人が一人死んでるんだよ」。作家の目取真俊さんは途中、強い口調で語りかけた。防衛局職員は「遺憾」「調査中」と繰り返す。かみ合っていないとか、すれ違うというのとも異なり、それぞれの声がばらばらに宙に浮かんだように感じた

▼「日米同盟」「綱紀粛正」という国家の言葉の空疎さを痛感しつつ、目取真さんの発した人間の言葉の重さ、そしてまだ語られない沈黙の声を考える。