<金口木舌>正しい案内を


<金口木舌>正しい案内を
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 最近、道に迷って名護市の勝山公民館を訪ねる観光客が増えているという。岸本一郎区長によると、この数カ月で何件かあり、いずれも本部町の嘉津宇と間違えて訪れていた

▼直線距離だと7~8キロ離れている。スマホやカーナビをうまく使えない年配の方が多く、嘉津宇を目指して嘉津宇岳のふもとにある勝山区にたどり着くというのだ。区長らは丁寧に正しい場所を案内している

▼入域観光客数が堅調だ。沖縄観光コンベンションビューローの試算では7~9月の入域観光客数は、前年度比18.8%増となる見通し。カーナビやネットで検索し、街中でスマホを手に歩く観光客の姿も見かけるようになった

▼デジタル時代にあっても、旅先での道迷いや「困りごと」は各地で起きている。本紙は昨年、劣化が進む「見えにくい道路案内標識」を取り上げ、県議会でも議論されたこともあった

▼来夏に大型テーマパークが開業する。人の流入が増えると地域コミュニティーにも少なからず影響は出る。優しい観光地に向けて「正しい案内」が求められる。観光客の急増による県民生活への影響を抑えることにもつながる。