<金口木舌>3年間の輝き


<金口木舌>3年間の輝き
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 北部九州総体の日程も残りわずか。各県の予選を勝ち抜いた高校生が夢の舞台で輝きを放っている。3年生にとっては集大成の大会。懸ける思いもひとしおだ

▼南風原高の新体操、金子あかりさんは2年生から部員は一人。さみしさで心が折れそうになりながら競技を続けてきた。演技後のインタビューでは「家族やコーチ、みんなに支えられた」と、笑顔で感謝の気持ちを語った

▼同じく南風原高の新垣大輔さんもたった一人の男子新体操部員だ。顧問の父智也さん、コーチの兄大悟さんと「3人4脚」で歩んだ競技生活。演技を終えると充実感あふれる笑顔を見せた。兄は技が決まる度にガッツポーズし、父も顔をほころばせた

▼ハンドボール女子ベスト8の浦添高の野底桃伽(ももか)さんは、両膝のけがを乗り越えて出場した。「出られただけで奇跡」。プレーできる喜びをかみしめ、笑顔と豪快なシュートで見ている人を楽しませた

▼スポーツは勝負の世界。ややもすれば勝利至上主義に陥る。しかし、結果のみではなく過程にも目を向ければ、輝く日々が浮かび上がる。3年生の笑顔に、スポーツの神髄が詰まっている。