いくら努力を重ねても、性別や人種を理由に組織で昇進が阻まれることがある。目に見えない暗黙の障壁を例えて「ガラスの天井」と言う
▼11月の米大統領選はカマラ・ハリスさんが民主党候補となり注目を集めている。性別などを理由とする「ガラスの天井」の最後の一枚を打ち破ることができるのか。行く手を阻んできた天井を突き破って女性初の副大統領となり、大統領という最後の壁に挑む
▼全ての人が平等な国で、才能と努力は報われる。アメリカンドリームが成就するか否か。そんなドラマが米国で進行中なのだろうが、あえて水を差したい。このドラマも沖縄ではかすんで見える
▼辺野古新基地建設が大浦湾側で始まった。この事態にふさわしい言葉が「壊れたはしご」。意味はこうだ。「ガラスの天井」にたどり着くために上るはしごはあらかじめ壊れていた。企業組織などで使われる
▼切実な願いを届けたくても県民ははしごを上ることすらできない。日本政府が阻み、米政府もそれに同調して県民を突き放す。日米が据えた「壊れたはしご」。天井に手が届くよう、誰か取り換えてくれないか。