ぱさぱさした食感にはなじめなかった。約30年前、日本は大冷夏で深刻な米不足となり、タイ米やカリフォルニア米など輸入米が家庭に届いた。「平成の米騒動」で、国産米のおいしさが身に染みた人は多かっただろう
▼暑さが続く日本で再び米騒動が起こっている。収穫量を示す作況指数は平年並み。凶作ではないらしい。卸売り関係者は「質が悪かったのでは」と推察する。精米すると量が減ったという分析だ。猛暑を超えた酷暑が響いたか
▼天候のせいだけでもない。国が米余りを抑えようと減反政策に走りすぎたツケも出てきたのだろう。ただでさえ自給率が低い日本。米くらいは、と思う
▼とはいえ騒動となるほど米は不足しているのか。訪日客の増加で消費が増えたという見立てもある。一部で衝動買いもあったかもしれない。米離れが進んでいるとはいえ、主食のお米の価格が上がると暮らしに響く
▼沖縄は今のところ騒動を免れている。今年は流通が不安定になると見込み、補充を怠らなかった県内卸問屋の先読みがさえた。ただ目減りはしている。いつものお米をみんなで。パニック買いだけは避けよう。