<金口木舌>公共交通を維持するために


<金口木舌>公共交通を維持するために
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 先日、浦添市から沖縄市までバスで移動した。普段は車を使う距離だが、バスでもスムーズに目的地に着いた。車窓から外を眺めると、新しい飲食店や公園を発見して新鮮な気分になれた

▼県の事業で9月の毎週水曜と日曜は路線バスの運賃が終日無料となっている。バスの魅力を伝え、公共交通の利用促進につなげることが目的だ。初日の4日は多くの人がバスに乗り、利便性を実感した

▼車社会の沖縄では慢性的な渋滞が社会問題となる。過度な車への依存は環境に負荷がかかり、歩く機会が減って運動不足にもなる。公共交通での移動を増やせば、今よりも暮らしは快適になる

▼りゅうぎん総合研究所などの調査によると、バスやタクシーの乗務員の高齢化や人員減少が課題となっている。将来的に公共交通の維持が困難になる可能性があるとして、県民の利用などが解決策になると指摘した

▼きょうもバス停には多くの人が並ぶ。公共交通は子供から高齢者まで幅広い世代が利用する重要なインフラだ。バスに乗って外の景色を見ながら、県民の移動手段を維持するために何が必要かじっくりと考えてみる。