<金口木舌>沖縄の殿堂に名を刻む


<金口木舌>沖縄の殿堂に名を刻む
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 米大リーグで活躍したイチローさんは引退時の会見で大谷翔平選手について語っている。その慧眼(けいがん)に驚く。「ピッチャーとして20勝するシーズンがあって、翌年には(本塁打)50本打ってMVP取ったら化け物。でも、それが想像できなくはない」

▼20勝はこれからだとしても、イチローさんは今の大谷選手の姿を予期していたか。50本塁打、50盗塁という夢物語のような偉業をやってのけ、記録を更新し続ける。米球界に偉大な足跡を残した2人は米野球殿堂入りが確実視されている

▼「殿堂」について辞書は「その分野において特筆すべき業績を残した個人や団体の栄誉をたたえる目的で設立される博物館、顕彰館」とする。そこには最高に優れた人やモノが一堂に会する

▼沖縄にも殿堂はある。沖縄空手会館は文字通り「空手の殿堂」、首里城は「伝統文化の殿堂」。昨年解体された首里劇場はかつて「娯楽の殿堂」と言われた

▼今のところ沖縄の殿堂は単に場所を指す。沖縄は空手や芸能など独自の文化を世界に広げている。聖地として輝かしい業績を挙げた人たちの名を刻み、顕彰する独自の殿堂があってもいい。