ニシンなど知らない関東の太平洋に面した小学校で、ずいぶん北にある北海道のニシン漁の労働歌「ソーラン節」をひたすら踊らされた昔。イワシやアジを捕った伝統の地引き網に通じる動きがあったのか
▼その後得た友の縁で沖縄の風物に巡り合うことができた。琉球民謡の深さとカチャーシーを目撃した衝撃を忘れない。沖縄ブームより何年か前の話
▼海山の労働にまつわる歌や踊りの多い日本で、人間の喜怒哀楽をかき回して主に祝宴で乱舞するカチャーシーという沖縄の大衆文化の真骨頂はしかし、深すぎて近寄りがたくもあった
▼宜野湾市の「第32回飛衣羽衣(とびんすはにんす)カチャーシー大会」が29日に開かれる。世界のダンスを取り入れたフィットネスダンスのズンバを踊る「大山ズンバ」を事前に取材した。昨年の優勝チームだ
▼ズンバの迫力にカチャーシーのこねり手を融合させ、振り付けも陣形も演出は自由。練習会場の大山公民館は踊る極楽に満ちている。照れようが照れまいが「唐船ドーイ」や「豊年音頭」が聞こえてくると条件反射、私たちの心は「踊らにゃ損々」といつだってカチャーシーに飛んでいける。