琉球犬の「狼爪」が話題に! 狼や縄文犬の名残 テレビ番組が取材


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 【今帰仁】今帰仁村運天の髙田農場で飼育している県指定天然記念物「琉球犬(通称トゥラー・虎毛)」に残る後ろ足の「狼爪(ろうそう)」(足の高い位置にある足指の痕跡器官)が、テレビ番組の取材を受け話題になっている。

 後ろ足に残る狼爪は、狼や縄文犬としての名残であり証しでもあると言われており、番組ではその狼爪を持つ琉球犬を探していた。知人から相談された中部農林高等学校定時制の小池隆之教諭が農場主の髙田勝さんを紹介し、琉球犬保存会メンバーから3年前に譲り受けた「仁(じん)」(雄・4歳)が、フジテレビの番組「坂上どうぶつ王国」の取材を受けた。

 虎毛は優性遺伝のため交配種でも生まれてくるが、ストップ(額から鼻先へのくぼみ)が深く耳が立ち、柳尾(柳のようにしなだれたような尻尾)、狼には必ずある舌斑(ぜつはん)(舌にある黒いしみのようなもの)が特徴として見られる南方系の犬で、全てを満たす個体は非常に少ないと言われている。

 髙田さんは「狼爪は狩猟の時に急ブレーキの役目を果たすのではないかと言われている。沖縄は、このような家畜が残っているのがすごいと思う」と述べた。
 (喜納高宏通信員)

後ろ足の狼爪(ろうそう)
髙田勝さんと琉球犬の仁=今帰仁村の髙田農場