【アルバム】きょうの沖縄/慰霊の日の沖縄はこんな一日だった(2021年6月23日)


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4:50 糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある黎明(れいめい)之塔に、陸上自衛隊第15旅団の佐藤真旅団長らが制服姿で訪れた。佐藤旅団長は訪問をあくまで「私的参拝」とし、「沖縄戦の犠牲となった全ての人のご冥福をお祈りする」と話した。

黎明の塔に献花する佐藤真第15旅団長=日午前4時50分、糸満市摩文仁の平和祈念公園(ジャン松元撮影)
夜明けの雨に打たれながら煌々と燃える平和の火=午前5時50分ごろ、糸満市摩文仁の平和祈念公園
降雨の中、早朝から傘を差しながら平和の礎で戦没者を追悼する人たち=午前6時8分、糸満市摩文仁の平和祈念公園(ジャン松元撮影)
降りしきる雨の中、小菊の花びらを付け平和の礎を上るカタツムリ=午前6時15分ごろ、糸満市摩文仁の平和祈念公園
朝から降り続ける雨と荒れ狂う海=午前6時45分ごろ、糸満市の喜屋武岬から
追悼を終えて平和の礎を後にする親子=午前7時10分ごろ、糸満市摩文仁の平和祈念公園(大城直也撮影)

7:40 雨がやみ、糸満市米須の魂魄の塔に参拝者が続々と来始める。親族6人で訪れ、防衛隊だった祖父を亡くした男性は「沖縄戦の時は暑くてのどが渇いていたから」と氷や酒を捧げていた。

沖縄戦で失った親族のみ霊に長い時間手を合わせ「平和が一番」と語った男性=午前8時すぎ、糸満市米須の魂魄の塔

8:50 自身も沖縄戦を生き延び、魂魄の塔の隣で長年花を売る大屋初子さん(86)。コロナ禍で平和学習も減り「早くコロナが終わって皆がまた来てくれたら」と話した。

魂魄の塔の隣で花を売る大屋初子さん=午前8時50分、糸満市の魂魄の塔

9:20 家族10人全員を沖縄戦で亡くした父の代わりに参拝した女性(80)は、摩文仁の丘から雨天と海を眺め「今年は波の音が寂しく聞こえる」とつぶやいた。

 

▼沖縄、慰霊の日 涙雨に包まれた島に鎮魂の祈り 戦後76年

礎を訪れ手を合わせる家族=午前8時すぎ、糸満市摩文仁の平和祈念公園

10:04 孫2人を連れて沖縄師範健児之塔を訪れた男性(76)は、碑に刻まれた叔父の名前を指でなぞり「沖縄戦は他人事ではないんだよ。自分なりに平和の意味を考える1日にして」と語りかけた。

10:10 戦時中、避難した糸満で姉を亡くした玉城トミ子さん(83)は初めて糸満市摩文仁の平和祈公園にある、平和の礎を訪れた。刻名された姉の名前を何度もなでながら、「いつも見守ってくれてありがとう。体調が悪くて今までこれなくてごめんね」と何度も繰り返した。手を合わせた後は、「ここで思いを伝えることができて良かった」と話した。

10:20 弟を沖縄戦で亡くした比嘉静さん(100)は糸満市摩文仁の沖縄工業健児之塔を訪れ、花を手向けて弟を悼んだ。「とっても良い子で可愛がっていた。本当に悔しい。みんな戦争で犠牲になってなんとも言えない」と話した。

沖縄戦で亡くした弟に花を手向けた比嘉静さん=午前10時20分、糸満市摩文仁の沖縄工業健児之塔

10:45 糸満市に住む湖城秀夫さん(59)は、自らの畑で育てたひまわりを市真栄里にある白梅之塔に届けた。孫の玉城こはるさん(5)とともに献花し「平和を願うため、これからも慰霊祭が続いてほしい」と語った。

白梅之塔にひまわりを届けた湖城秀夫さん(右)と孫の玉城こはるさん=午前10時45分、糸満市真栄里

11:30 南城市玉城糸数のアブチラガマには毎年修学旅行などで訪れる県内外の小中学生らが折った千羽鶴が飾られていた。糸数区民の當山晃さんは「今年はコロナ禍によって、訪れることができないため、子どもたちが丁寧に千羽鶴を折って贈ってくれた」と話した。

千羽鶴が飾られたアブチラガマ=午前11時30分、南城市玉城

11:34 ひめゆり学徒隊の同窓生たちが涙を浮かべながら、76年前の卒業式で歌えなかった別れの曲(うた)を歌った

元ひめゆり学徒隊の同窓生ら
激しい雨の中で式場入りする玉城デニー知事=午前11時41分、糸満市摩文仁の平和祈念公園

 

▼沖縄慰霊の日「悲劇繰り返さない」 コロナ禍で非戦決意、追悼式に30人

12:00 沖縄全戦没者追悼式で黙祷。新型コロナウイルス感染症対策で規模を縮小したが、会場の外にも県民が集まった。

会場内で黙祷する人たち=正午、糸満市摩文仁の平和祈念公園
式典会場の外で黙とうする人々=正午、糸満市摩文仁の平和祈念公園

12:00 積徳高等女学校慰霊之碑が建立された大典寺の本堂内で、正午に打ち鳴らされる鐘の音に合わせ、黙祷を捧げる親族ら。姉2人を亡くした男性は2年ぶりに訪れ「元気だったら楽しく過ごせたはずなのに。今日はこれから父が眠る魂魄の塔に行く。やはりちゃんと、この日に慰霊碑に来られて良かった」と目に涙を浮かべた。

積徳高等女学校慰霊之碑が建立された大典寺の本堂内=正午、那覇市松山

12:00 新基地建設に反対する市民らが名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で、黙祷した。

黙祷する市民ら=正午、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート

 

▼「みるく世を創るのは私たち」 追悼式典で平和の詩を朗読した中学生が決意

平和の詩「みるく世の謳」を朗読する宮古島市立西辺中の上原美春さん
式典で玉城デニー知事が平和宣言を読み上げる中、雨空を見つめるハンスト中の具志堅隆松さん(中央)=午後0時25分、糸満市摩文仁の平和祈念公園(ジャン松元撮影)

13:35 玉城デニー知事がハンスト中の具志堅隆松さんのテントを訪れた。

 

▼玉城知事がハンスト具志堅さんと対面

式典後、ハンスト中の具志堅隆松さん(右)のテントを訪れ、握手する玉城デニー知事=午後1時35分、糸満市摩文仁の平和祈念公園(ジャン松元撮影)

14:00 県立第三中学校と第三高等女学校の戦没者の名が刻まれた南燈慰霊之塔(名護市大西)で慰霊祭が始まった。南燈同窓会の大城康正会長は「基地のない平和な街にするのが私の願い。二度と戦争を起こさない、起こさせないと誓いたい」と追悼の言葉を述べた。

南燈慰霊之塔での慰霊祭
「月桃」を歌う島田路沙さん(左)と海勢頭豊さん(右)=午後2時25分ごろ、糸満市摩文仁の平和祈念公園

15:00 曇り空の中、石垣市石垣の八重山戦争マラリア犠牲者慰霊之碑前で、八重山戦争マラリア犠牲者追悼式が始まった。マラリアで兄を亡くした八重山戦争マラリア遺族会の唐眞盛充会長は「76年前当時の愚かな軍国主義政治体制、愚かな歴史を繰り返してはならないと心に誓う」と平和を訴えた。

雨が上がり晴れ間がのぞく南部一帯=午後2時すぎ、八重瀬町から

宮古島の民謡取り入れた「平和の詩」 慰霊の日追悼式で朗読する中学生の思い
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