未来につなげる琉球漆器の「首里城復興ピアノ」 正殿のブドウとリスの文様を芸大生が加飾 首里杜館でお披露目


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首里城復興ピアノで演奏する砂辺絢斗さん=17日、那覇市の首里杜館

 那覇市の首里杜館で17日、県立芸術大学の学生が琉球漆器の技法で飾った「首里城復興ピアノ」のお披露目式があった。首里杜館にストリートピアノとして置かれ、誰でも弾くことができる。

 琉球手まり保存会の宮城玲子代表が「首里城復興に役立ててほしい」と、3月に沖縄美ら島財団に寄贈したグランドピアノで、2021年に亡くなった姉の山田菊代さんが長年愛用したもの。

 首里城基金を使った人材育成事業の一環として財団が芸大に依頼し、学生が首里城正殿にも施されるブドウとリスの文様で加飾した。

 同大研究生の知花みのりさんは「ブドウとリスは子孫繁栄を表すが、人と人とのつながりと解釈し、復興を通じて多くの人が出会い、福がもたらされるようにと願いを込めた」と話した。演奏も行われ、ピアニストの砂辺絢斗さんがこの日のために作った曲を披露した。

 財団の花城良廣理事長は「伝統技術を未来につなげていくことを象徴した、首里城にふさわしい装飾となった。首里城を応援する方々に活用してほしい」と礼を述べた。ピアノは首里杜館1階の休憩所に設置されている。
 (金盛文香)