沖縄の保育園で48年続く「ゆし豆腐」作り 老人会も応援 浦添・勢理客保育園


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伝統のゆし豆腐作りに挑戦した勢理客保育園の園児ら=9日、浦添市の同園

 【浦添】沖縄県浦添市勢理客の認可保育園「勢理客保育園」(比嘉富子園長)で9日、同園伝統のゆし豆腐とオカライリチー、イモくず天ぷら作りが行われた。沖縄の昔ながらの家庭料理に親しんでもらおうと48年前から始まったという同園恒例の行事で、作りたての料理に舌鼓を打った園児らは「ゆし豆腐大好き」「おいしい」と笑顔を見せた。

 同園は1966年に開園。2月の節分に大豆で豆まきをしていたが、「大豆が豆腐になるのを知ってほしい」との比嘉園長らの思いで、ゆし豆腐作りが始まった。

 今回は年長の園児28人が前日に石臼で大豆をひき、水に浸した。9日は早朝から、職員と豆腐作りに詳しい勢理客の老人会「勢理客勢隆会」のメンバーらが「シンメーナービ」に火をかけるなど準備を進め、液状になった大豆に、職員が南城市の奥武島からくんできた海水を注いだ。園児らは作業の様子を見守ったり、イモくず天ぷらを作ったりしていた。

 出来上がったゆし豆腐は口当たりがまろやかな味わいに仕上がった。ゆし豆腐作りに参加した中原陽輝(はるき)ちゃん(6)は「石臼を回すのが少し難しかった。手作りのゆし豆腐はおいしい」と話した。高甫莉緒(りお)ちゃん(6)は「イモくず天ぷらを丸めるのが大変だった。甘くておいしかった」と笑顔を見せた。

 勢理客勢隆会の与那覇ナリさん(82)は「子どもたちと一緒に伝統料理を作れてうれしい」と述べた。