イルカのフジ、すいすい泳ぐ 人工尾びれ新型完成


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新型のひれを装着した後、元気に泳ぐフジ=5月31日、本部町の海洋博公園

 【本部】本部町の海洋博公園で、人工の尾びれを付けて泳ぐバンドウイルカの「フジ」のために開発中だった新型の尾びれが、このほど完成した。5月31日、海洋博公園で装着テストが行われた。

 新作のひれは、フジの尾びれにかぶせる天然ゴム製の人工ひれを固定する「カウリング」を改良した。
 道具を使わず、手でネジを締められるようになったため、装着時間が半減し、フジの負担が減ったという。
 新しい人工ひれを装着したフジは、付け心地の良さを開発者らに見せるように、娘のコニーと共にプール内をゆったり泳ぎ回っていた。
 フジは1978年に海洋博公園の仲間となった。2002年に原因不明の病気で尾びれの一部を切除した。その後、美ら海水族館とタイヤメーカーのブリヂストングループが協力し、人工尾びれを開発してきた。これまでに8種38本を制作したという。
 開発に関わるブリヂストンフローテックの加藤信吾相談役は「フジを通した長年の研究成果は他のイルカにも生かされている」と語った。飼育係の比嘉克さん(25)は「年を取ったフジが人工ひれで元気に泳ぐことでお客さんも喜んでくれる」と話した。
英文へ→A dolphin swims with a new artificial tail fin