新聞で思考深めて NIE徳島大会が開幕


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子どもに意欲を持たせるNIEの在り方について、中学生や保護者、新聞、教育関係者らで議論を深めた討議=31日、徳島市のあわぎんホール徳島県郷土文化会館

 【徳島で藤村謙吾】第19回NIE全国大会徳島大会(日本新聞協会主催)が31日、徳島市のあわぎんホール徳島県郷土文化会館で開幕し、全国の教員や新聞関係者ら960人が参加した。「よき紙民(しみん)になる~子どもに意欲を持たせるNIE活動」を合言葉に、2日間の日程で討議や公開授業を行う。

新聞を教育に活用する効果や学校、家庭、地域での取り組みについて考える。
 「『賢い市民』と教育」と題して記念講演した苅谷剛彦オックスフォード大教授(教育社会学)は「新聞は読み比べることで自分の思考を振り返ることのできるメディアだ。書くことでさらに思考を深められる」と話した。その上で「民主主義社会の担い手を育成するには、多様なメディアの中から根拠ある議論に触れることが有効だ」と指摘した。
 「子どもに意欲を持たせるNIEの在り方」と題する討論で、中学1年の野村龍葵君が「小学校の授業をきっかけに、新聞を家庭学習に活用するようになった」と話し、母の佳余子さんは「次第に連絡帳の日記に読み応えが出てきた」と学習成果を報告した。