1950年建造「安和の石橋」 名護市文化財に指定


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 【名護】沖縄復興基金を活用し、1950(昭和25)年、名護市安和区最初の公共工事として建造された「安和の石橋」が9月11日、市文化財に指定された。10月21日、市の座間味法子教育長から安和区の幸地隆作区長に認定証が手渡された。名護市では83番目の指定。

 安和の石橋は、俗名「ヤマガマバシ」と呼ばれ、安和集落の西を流れて名護湾へとそそぐ安和与那川に架かる幅3・05メートル、内径2・6メートルの半円アーチの石橋。
 市文化財保存調査委員長の岸本林氏は「資材が少ない時代、集落内の家畜小屋のペーイシ(石灰岩)を集め切断し、造ったものである。丁寧な石積みが施された建造物であり、沖縄古来石積み技法を継承する構造様式をもつ貴重な文化財」と高く評価した。
 安和区では県指定有形民俗文化財の「安和のくばのうたき」、市指定無形民俗文化財の「安和のウシデーク」に続き、三つ目の文化財となった。
 幸地区長は「先輩方が地域を愛する思いで造られた橋。幼少時代、誰もが遊んだ思い出の石橋を区民と共に、今後も大切に守り続けていきたい」と感謝の意を述べた。(宮城良勝通信員)

名護市指定文化財に指定された「安和の石橋」
名護市指定文化財を受けた安和区の幸地隆作区長(中央)と岸本林名護市文化財保存調査委員長(左)、座間味法子教育長=10月21日、名護市教育長室