<金口木舌>サッカーキャンプ効果に期待


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 1990年代半ば、横浜マリノス(当時)が今帰仁村でキャンプを行った。そのころ、横浜の中心選手と言えばフリーキックの名手・木村和司。国内トップの選手が手の届きそうな距離にいたのが印象的だった

▼当時、県内のサッカーキャンプは芝生をはじめ環境整備が追い付かなかった。このため、キャンプするチームが減る、実戦の相手がいない、だから他の地域へ移動する、という悪循環に陥っていた
▼あれから約20年。ことしはJリーグの13チームが沖縄で開幕に備える。ここまでの盛り上がりを見たのは、競技場の整備や誘致に関わった人々の熱意があってこそだろう
▼うれしいことに、ことしは話題も豊富だ。国内三大タイトルを独占したガンバ大阪には赤嶺真吾が移籍し、既に中城村で軽快な動きを見せている。昨年、日本代表に選ばれた田口泰士の名古屋グランパスも初めて沖縄にやって来る
▼コンサドーレ札幌には上里一将と上原慎也、横浜・F・マリノスにはレンタル移籍から復帰した比嘉祐介と県出身選手が多数いる。多くのチームが沖縄入りする1月下旬が楽しみだ
▼子どもたちが目の前でプレーするトップ選手から感じるものがあれば、なおうれしい。夢や目標を生む源はスター選手の一挙手一投足だろう。キャンプ効果は何も経済面に限らない。子どもたちの希望を育む未来への投資でもある。