世界に届け 沖縄発の音 サキシマミーティング×カチンバ4


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互いに海外公演の成功をたたえ合うように演奏するカチンバ4とサキシマミーティング=9月22日、那覇市の桜坂劇場

 今月、海外公演を控えるサキシマミーティング(新良幸人×下地勇)とカチンバ4(クアトロ)の壮行ライブ「Music from Okinawa Night」が9月22日、那覇市の桜坂劇場であった。2組はお互いの海外公演の成功を願い、「沖縄発の自分たちの音」を発信していく―。そんな決意を示すようなライブを展開した。

 サキシマミーティングは韓国で開催されるライブイベント「Zandari Festa」へ、カチンバ4はハンガリーの世界的音楽見本市「WOMEX(the World Music Expo)2015」内のステージにそれぞれ出演する。

 サキシマミーティングは「今日咲ちゅる花」で下地がしっとりとギターを弾き、新良とともに味のある歌声を重ねる。八重山、宮古への思いなどを紡ぐ「SAKISHIMAのテーマ」や「Danny Boy」などを歌い上げた。新良の三線の早弾きは観客の目をくぎ付けにし、緊張感がホールを包んだ。

 続いてカチンバ4が登場。大城太郎(パーカッション)が「ニライカナイから大陸へ、そしてハンガリーへの道をイメージした」と話すように「ニライカナイ」「月ぬ光」「花ぬ風車(はなぬかじまやー)」などを立て続けに披露する。その後も「大風(うふかじ)」などを歌う。大城が曲の振り付けを教え、観客も縦に横に体を揺らすと、南米の風景を思い起こさせた。

 アンコールでは、2組のバンドが一つのステージに集結し、サキシマミーティングの名曲「夏至南風(カーチパイ)」を披露。三線とギターだけでなく、トロンボーンやパーカッションなど、ラテンのリズムも絡み合う。サビでの「サァサ」の掛け声は観客もともに歌い、その声がホールにこだました。

 沖縄に根差す音楽を土台に、それぞれが独自のアレンジを加えた曲を誕生させてきた2組。県内外ライブで積み重ねてきた経験を糧に、韓国、ハンガリーでも変わらない、今届けられる最高の音を発信することを観客に誓った。(大城徹郎)