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色落ちしたミニバイクのナンバープレート 交通違反にならないの? 経年劣化は対象外に 市が無料で交換対応も(京都新聞提供~JODパートナー社から~)


色落ちしたミニバイクのナンバープレート 交通違反にならないの? 経年劣化は対象外に 市が無料で交換対応も(京都新聞提供~JODパートナー社から~) 数字の部分が色落ちしたナンバープレート(手前)。故意の破損でなければ無料で交換でき、市軽自動車税事務所が交換を呼びかけている(京都市内)=画像の一部を加工しています
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 「色落ちしたナンバープレートを付けているミニバイクを見かけるが、交通ルール違反にならないのか」。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」にこんな疑問が寄せられた。経年劣化で塗料がはげたナンバープレート。数字が視認できなければナンバーを付けていないのと同じような気もするが、違反にならないのか。

「真っ白のナンバープレートで普通に走行しているミニバイクがいてびっくりした」。こう話すのは、疑問を寄せた京都市左京区の公務員男性(40)。男性はこれまで仕事の都合で関東地方などに住んだことがあるが、京都に来て色落ちしたナンバープレートをたびたび目にするようになったという。

 男性は過去に、別の都市で自身の車をミニバイクに当て逃げされたことがあったが、相手がプレートを折り曲げていたためナンバーが分からず泣き寝入りした。「色落ちしたナンバープレートのバイクに当て逃げでもされたら、たまったもんじゃない」と危機感を募らせる。

 色落ちしたナンバープレートを見つけようと、市内の公共施設を訪れた。駐輪場のミニバイクに注目してみると、塗料が薄くなっているものや数字の一部が消えかかっているものなどが10台ほどあった。数字や文字の塗料が完全にはげ落ちているものも。プレートは文字と数字が浮き上がるよう加工されているため目を凝らせば何とか読み取れるが、走行中に数字を確認するのは難しそうだ。

 車のナンバープレートについては、道路運送車両法で「見やすいように表示しなければならない」と定められている。2016年4月の改正でカバーの装着や回転、折り返しなども禁じられ、取り付け位置や角度も明確に規定された。

 一方、ミニバイクのナンバープレートは「標識」と呼ばれ、市町村が交付している。京都市市税条例では「車体の見やすい箇所に取り付けておかなければならない」とあるが、それ以上の規定はない。ただ、標識が効力を失う条件については、取り付けの損壊や不正使用のほか、「標識が毀損(きそん)し、亡失し、又は摩滅したとき」とあった。この場合、色落ちは「摩滅」に入るのだろうか。

 市軽自動車税事務所に疑問をぶつけると「経年劣化での色落ちは摩滅にはあたらない」と回答があった。摩滅とはプレート本体が大きく削れたり、すり減ったりした場合を指し、日焼けや雨風にさらされたことなどによる脱色は対象にはならない。つまり、色落ちしていても標識として有効だ。府警交通企画課にも確認したが「市の条例で有効と認められるものであれば、色落ちしていても違反にはならない」との回答があった。

 とは言え、同事務所の担当者は「違反にならないからといって色落ちした状態で走行するのは適切とは言えない」としていて、数字が判読しにくいものは交換するよう呼びかけている。紛失や盗難などによる標識の再発行には通常費用がかかるが、同事務所では、色落ちのように所有者が故意に破損させたものではないと認めた場合は無料での交換を受け付けている。

 ミニバイクは車検制度の対象外のため、ナンバープレートの色落ちにも気付きにくく放置されがちなのかもしれない。普段からミニバイクを利用する人はいま一度、ナンバープレートを確認してほしい。(佐々木千奈)

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