社会

みるく世向かてぃ ~沖縄のハンセン病~

 名護市済井出にある国立ハンセン病療養所の沖縄愛楽園が開園してからことし11月で80年を迎えます。沖縄愛楽園は1938年、県立国頭愛楽園として屋我地村(現名護市済井出)に設立されました。  ハンセン病とは「らい菌」という細菌による感染力の弱い慢性の感染症です。インフルエンザなどと同じような普通の病気であり、発病力が極めて弱く発病しても薬で完治します。主に皮膚や末梢神経がおかされる病気で、適切な治療を受けることができなかったための後遺症や「恐ろしい伝染病」という病気への誤った認識により偏見や差別の対象となりました。

 1931年に全ての患者の隔離を目指した「らい予防法」が成立し、各地に療養所が建設されました。ハンセン病の患者を隔離する政策は、1996年に「らい予防法」が廃止されるまで続きました。ハンセン病の療養所に入所させられた患者はあやまった国の政策などによって、長い間多くの偏見と差別に苦しんできました。

 今まで間違えて伝えられてきた病気とその実態が、近年、ようやく正しく伝えられるようになりました。大切なことは一人一人が、ハンセン病について正しい知識と理解を持つことです。

 琉球新報では沖縄愛楽園の開園80年を前に、沖縄のハンセン病回復者の証言などを通し「らい予防法」廃止から22年が経過してもなお残る回復者や家族の苦しみを探る記事を掲載しています。ホームページの「特集」コーナーに設けたページ「みるく世向かてぃ~沖縄のハンセン病~」で、最近報じたハンセン病に関する記事をまとめました。

 また、ハンセン病の歴史を次世代に残そうと、大阪を拠点に講談士として活動する伊藤貴臣さん(42)がインターネットラジオ「RADIO BALOON(レディオバルーン)」で放送しているラジオ企画「煌めく百の物語―沖縄愛楽園から未来へ送るメッセージ」を第1回から随時、琉球新報ホームページでも公開します。

 ラジオ企画は元患者116人の証言がつまった「沖縄県ハンセン病証言集 沖縄愛楽園編」を元アナウンサーや著名なナレーターなどプロの語り手が朗読したものの録音です。ハンセン病の差別や偏見を無くす一助になれば、と思います。ぜひご覧ください。

煌めく百の物語―沖縄愛楽園から未来へ送るメッセージ(随時公開)

<第1回> <第2回> <第3回> <第4回>

連載記事「みるく世向かてぃ―ハンセン病回復者の祈り」(全5回、2018年5月17日~同21日)

(1)断種「おまえの番だ」 愛楽園 強制不妊 もがく男性 羽交い締め 屈辱の手術

(2)ハンセン病理由 無人島に遺棄 「ごみ扱い」餓死寸前

(3)苦楽共にした仲間、顔背ける ハンセン病退所者 病歴隠す悔しさに涙

(4)暗黙の堕胎強制 守り抜いた命 ハンセン病 差別・偏見耐え「娘のため」必死に生きる

(5)後ろ指さされ、島を出る 苦しみ一人で背負った母 ハンセン病